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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第10章 第二話 【はまなすの咲く町から】 恋の病

「調べたのか、調べさせたのか。まあ、どちらでも良いが、流石に金持ちの坊ちゃんはやることが早いな」
「私はここに皮肉を言われにきたのではありません」
 トスは軽く眼を閉じた。
「キョンシルは俺の娘ではない」
 ホウとウォンジュンの口から吐息が洩れた。それが落胆の溜息であることは明らかだ。トスはゆっくりと眼を開いた。
「―違うが、似たようなものだ」
 ウォンジュンの沈んだ顔が束の間、生気を取り戻した。その瞳にはかすかな期待がこもっている。

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