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　トスは盛大な溜息をついた。
「判った、キョンシル。ここまで来たら、本当のことを言おう。実は、絹店の店主イ・ソンジュンどのが今日、ここに来た」
「イ・ソンジュンって、ウォンジュンさまのお父さん？」
　流石にキョンシルも愕いたようだ。大きな瞳を零れんばかりに瞠っている。トスは頷いた。
「絹店では今、ますます忙しくなって、人手が足りないと話されていた。特にお屋敷の方では若い女中が嫁に行くと立て続けに暇を取って、どうにもならないと。ゆえに、気の利いた娘を後釜に捜しているが、なかなか見つからず、そなたのことを聞いてわざわざここまで脚を運んだということだった」
「―嘘でしょ」