
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第11章 第二話 【はまなすの咲く町から】 真実
「こんなことなら、下手な言い訳など考えずに、端(はな)から本当のことを言えば良かった」
キョンシルは辛うじて震える声を抑えた。
「なに、どうしたのよ?」
トスはしばし押し黙り、それから意を決したようにひと息に言った。
「李家の息子は、そなたを嫁にと望んでいるようだ」
「―」
刹那、キョンシルの面を烈しい衝撃が覆った。
「それで、トスおじさんは何て?」
「何も。ただ、そなたの気持ち次第だと応えた」
その時、キョンシルは初めて納得がいった。
キョンシルは辛うじて震える声を抑えた。
「なに、どうしたのよ?」
トスはしばし押し黙り、それから意を決したようにひと息に言った。
「李家の息子は、そなたを嫁にと望んでいるようだ」
「―」
刹那、キョンシルの面を烈しい衝撃が覆った。
「それで、トスおじさんは何て?」
「何も。ただ、そなたの気持ち次第だと応えた」
その時、キョンシルは初めて納得がいった。
