
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第11章 第二話 【はまなすの咲く町から】 真実
キョンシルは涙声で続けた。
「それに、私はウォンジュンさまのことを好きではないの。良い方だとは思うけれど、男性として見たことはないのよ。トスおじさん、女にとっての幸せって本当は何だと思う?」
キョンシルは涙に潤んだ瞳でトスを見つめた。トスはそんなキョンシルを見ていられず、視線を逸らした。
それが、キョンシルにはトスからの〝応え〟にしか思えなかった。トスおじさんは、自分が邪魔になったのだ―。
トスは首を振った。
「俺が知らないとでも思ってるのか? この寺に来てからというもの、そなたは俺のことを嫌っているというか、離れたいと思ってるんだろう。俺と二人きりになったときに限って、そなたは何かと用をつけて出ていくではないか。
「それに、私はウォンジュンさまのことを好きではないの。良い方だとは思うけれど、男性として見たことはないのよ。トスおじさん、女にとっての幸せって本当は何だと思う?」
キョンシルは涙に潤んだ瞳でトスを見つめた。トスはそんなキョンシルを見ていられず、視線を逸らした。
それが、キョンシルにはトスからの〝応え〟にしか思えなかった。トスおじさんは、自分が邪魔になったのだ―。
トスは首を振った。
「俺が知らないとでも思ってるのか? この寺に来てからというもの、そなたは俺のことを嫌っているというか、離れたいと思ってるんだろう。俺と二人きりになったときに限って、そなたは何かと用をつけて出ていくではないか。
