側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第12章 第二話 【はまなすの咲く町から】 心のありか
胸に浮かんだ疑問をそのまま口にすると、ウォンジュンは笑った。
「僕は身体が弱くてね。君も知ってのとおり、少し町を歩いただけで、暑さにやられて、みっともなく引っ繰り返るような情けない男だ。子どもの頃は医者に二十歳までは生きられないって言われたほどで、父はいまだにその医者の予言を信じているんだ。だから、僕を屋敷に閉じ込めて何もさせないんだよ」
どこか自嘲めいて言うのに、キョンシルは真顔で言った。
「優しいお父さまなんですね」
だが、彼は意外なことを聞いたとでも言いたげに眉を顰めた。
「僕は身体が弱くてね。君も知ってのとおり、少し町を歩いただけで、暑さにやられて、みっともなく引っ繰り返るような情けない男だ。子どもの頃は医者に二十歳までは生きられないって言われたほどで、父はいまだにその医者の予言を信じているんだ。だから、僕を屋敷に閉じ込めて何もさせないんだよ」
どこか自嘲めいて言うのに、キョンシルは真顔で言った。
「優しいお父さまなんですね」
だが、彼は意外なことを聞いたとでも言いたげに眉を顰めた。