
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第12章 第二話 【はまなすの咲く町から】 心のありか
背を向けかけたキョンシルに、ウォンジュンの声が迫ってきた。振り向くと、ウォンジュンの真剣なまなざしとぶつかった。
「君は好きな男がいると言った。もしかして、あの人なのか? 君と一緒に暮らしているあの親代わりだという人」
キョンシルは少しの逡巡を見せ、頷いた。ここまで来て、最早、隠すこともない。むしろ、ウォンジュンの示してくれた誠意に応えるためには、きちんと真実を明かすべきかもしれない。
キョンシルの頬が染まったのを見て、ウォンジュンは頷いた。
「何となく判るよ。悔しいけど、あの男が相手なら、どのみち、僕に勝ち目はないな。あの人は僕なんかが足許にも寄れないような大人の男だ」
ウォンジュンはしみじみとした口調で言い、気遣わしげにキョンシルを見た。
「君は好きな男がいると言った。もしかして、あの人なのか? 君と一緒に暮らしているあの親代わりだという人」
キョンシルは少しの逡巡を見せ、頷いた。ここまで来て、最早、隠すこともない。むしろ、ウォンジュンの示してくれた誠意に応えるためには、きちんと真実を明かすべきかもしれない。
キョンシルの頬が染まったのを見て、ウォンジュンは頷いた。
「何となく判るよ。悔しいけど、あの男が相手なら、どのみち、僕に勝ち目はないな。あの人は僕なんかが足許にも寄れないような大人の男だ」
ウォンジュンはしみじみとした口調で言い、気遣わしげにキョンシルを見た。
