
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第13章 第三話 【むせび泣く月】 出逢いはある日、突然に
小さな家から明かりが洩れている。そろそろ秋の陽が傾き始める刻限になっていた。狭い道に夕陽が差し込み、光の渦ができている。どうやら、トスは既に帰宅しているようだ。キョンシルは背後の若者を振り返った。
「そなたには迷惑はかけぬと言っておきながら、真に言いにくいのだが、一晩だけ泊めて貰えぬだろうか?」
若者は羞恥心からか、白い頬をかすかに染めている。
「片隅でも、土間でも良い。夜露を凌ぐ場所さえあれば十分だ」
「そんなたいそうなことを言われるほどの家じゃないけど」
「そなたには迷惑はかけぬと言っておきながら、真に言いにくいのだが、一晩だけ泊めて貰えぬだろうか?」
若者は羞恥心からか、白い頬をかすかに染めている。
「片隅でも、土間でも良い。夜露を凌ぐ場所さえあれば十分だ」
「そんなたいそうなことを言われるほどの家じゃないけど」
