
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第13章 第三話 【むせび泣く月】 出逢いはある日、突然に
先刻から何やら気まずい雰囲気が狭い室に漂っている。キョンシルはまず向かい側に座るトスを、更に傍らの若い男を掬い上げるような視線で窺う。トスは常にもましてむっつりと黙り込んでクッパ(雑炊)をかき込んでいるだけだし、若者はトスの不機嫌さなど素知らぬ風にもやしと青菜のおひたしをつついている。
キョンシルは小さな吐息を洩らした。トスは想像したとおり、若者を追い出せとは言わなかった。だが、キョンシルがいきなり見知らぬ若い男を連れ帰ったことは、トスにとってはかなりの衝撃であったようだ。
―そいつは一体、どこの何者なんだ?
と言ったきり、口を閉ざしてしまった。
キョンシルは小さな吐息を洩らした。トスは想像したとおり、若者を追い出せとは言わなかった。だが、キョンシルがいきなり見知らぬ若い男を連れ帰ったことは、トスにとってはかなりの衝撃であったようだ。
―そいつは一体、どこの何者なんだ?
と言ったきり、口を閉ざしてしまった。
