
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第13章 第三話 【むせび泣く月】 出逢いはある日、突然に
むっつりとして口にしたのはむろん、嫌みだ。しかし、ソンには全く通じなかった。ソンは真顔で首を振る。
「そのようなことはありません。しかし、私がいつ女を口説いたのでしょうか? 全く身に憶えがないのですが」
などと、しきりに首を傾げている。
ソンは箸を膳の上にきちんと揃えて置くと、キョンシルを見つめた。
「キョンシル。この人はそなたの父親か、良人か?」
「ええっ」
キョンシルはいきなりの科白に度肝を抜かれた。トスの片頬がひくついている。まずい、これはトスが怒りを抑えている証拠だ。
「そのようなことはありません。しかし、私がいつ女を口説いたのでしょうか? 全く身に憶えがないのですが」
などと、しきりに首を傾げている。
ソンは箸を膳の上にきちんと揃えて置くと、キョンシルを見つめた。
「キョンシル。この人はそなたの父親か、良人か?」
「ええっ」
キョンシルはいきなりの科白に度肝を抜かれた。トスの片頬がひくついている。まずい、これはトスが怒りを抑えている証拠だ。
