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「それで、トスどのの機嫌があのように悪かったのだな」
「え、なに？」
　キョンシルにはトスの不機嫌の原因は皆目見当もつかなかった。しかし、この世間知らずの坊ちゃんにはすぐに理解できたようである。
「何故、トスはあんなに機嫌が悪かったのかしら。私も気になっていたの。ソンには判るの？」
　と、ソンは実に意味不明のことを口にした。
「私も同じ男だからね。男の気持ちはよく判るよ。だが、その理由とやらは、私がここでキョンシルに話すべきものではない。単なる当て推量かもしれないのだし」