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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第13章 第三話 【むせび泣く月】 出逢いはある日、突然に

さもなければ、あなたが相手を傷つけるつもりはないのに、傷つけてしまって、結果としてソンが誤解されてしまうでしょ。本当は優しい良い人なのに」
「優しい良い人か、そんな風に言われたのは生まれて初めてだ」
 やや弾んだ声音で言ったソンが顔をしかめた。
「痛―」
「大丈夫?」
 やはり、ソマニに痛めつけられた右肩を押さえている。
「でも、右肩は骨が折れていなくて幸いだったわ」
 帰ってきてから、トスは愕きながらもソンの怪我の具合を入念に診てくれた。

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