
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第13章 第三話 【むせび泣く月】 出逢いはある日、突然に
それでも離そうとしないキョンシルをトスが軽く突き飛ばす。勢い余って、キョンシルはその場によろめき、転んだ。
「貴様、何をする!」
ソンが見ていられなくなったのか、まだ熱があるにも拘わらず立ちあがった。トスに向かっていったが、所詮、トスの相手にはなるはずもない。こちらも軽く押されただけで、呆気なく吹っ飛んだ。
「惚れた女を守ろうと頭に血が上るのは結構なことだが、そんなへっぴり腰では野良猫一匹との勝負にも負けるぞ」
トスは先刻までの激高ぶりが嘘のように静かな声で言い、半ば開いたままの扉から出ていった。
「貴様、何をする!」
ソンが見ていられなくなったのか、まだ熱があるにも拘わらず立ちあがった。トスに向かっていったが、所詮、トスの相手にはなるはずもない。こちらも軽く押されただけで、呆気なく吹っ飛んだ。
「惚れた女を守ろうと頭に血が上るのは結構なことだが、そんなへっぴり腰では野良猫一匹との勝負にも負けるぞ」
トスは先刻までの激高ぶりが嘘のように静かな声で言い、半ば開いたままの扉から出ていった。
