
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第13章 第三話 【むせび泣く月】 出逢いはある日、突然に
「トスおじさん、違うの、これは」
「もう良い。聞き苦しい言い訳は無用だ」
トスは吐き捨てるように言い、くるりと踵を返した。そのまま出ていこうとするのに、キョンシルが叫んだ。
「どこに行くの?」
悲鳴のような声にも、トスは振り返ろうとはしない。
「元々、ここはお前とミヨンが暮らしていた家だ。だから、出ていくのなら、俺が出ていく」
キョンシルはその言葉に烈しく動揺し、トスを背後から抱きしめた。
「トスおじさん」
「―離せ」
「もう良い。聞き苦しい言い訳は無用だ」
トスは吐き捨てるように言い、くるりと踵を返した。そのまま出ていこうとするのに、キョンシルが叫んだ。
「どこに行くの?」
悲鳴のような声にも、トスは振り返ろうとはしない。
「元々、ここはお前とミヨンが暮らしていた家だ。だから、出ていくのなら、俺が出ていく」
キョンシルはその言葉に烈しく動揺し、トスを背後から抱きしめた。
「トスおじさん」
「―離せ」
