側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第13章 第三話 【むせび泣く月】 出逢いはある日、突然に
そこで、キョンシルは思い出して、家の裏に回った。家の裏手はちょっとした空き地になっている。片隅に樹齢も定かではない桜の大樹が植わっており、秋の今、桜は茂った葉という葉を紅色(くれないいろ)に染め上げていた。
この桜が満開の春の夜、キョンシルは報われぬ男への想いに悶々と思い悩み、母の幸福のためにも己れの恋情を闇に埋める覚悟をしたのだ。
しかし、母の死という予想外の不幸が起こり、キョンシルの恋は陽の目を見ることになった。この桜はキョンシルの恋のゆくえをこれからもずっとひっそりと見守り続けてゆくことになるのだろう。
この桜が満開の春の夜、キョンシルは報われぬ男への想いに悶々と思い悩み、母の幸福のためにも己れの恋情を闇に埋める覚悟をしたのだ。
しかし、母の死という予想外の不幸が起こり、キョンシルの恋は陽の目を見ることになった。この桜はキョンシルの恋のゆくえをこれからもずっとひっそりと見守り続けてゆくことになるのだろう。