側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第14章 第三話 【むせび泣く月】 意外な事実
ホンジュには一昨年、嫁いだ娘がいる。その娘とキョンシルが一つ違いのため、キョンシルには何かと甘いのだ。やはり、遠方に嫁した一人娘を思い出すらしい。何でもホンジュは女房を早くに亡くしてから、男手一つで娘を育て上げたらしい。
ソンが勤め始めて三日ほど経ったある日、キョンシルは仕立物を得意先に届けにいった帰り道、思いついて代書屋に寄った。キョンシルは以前と同じように、内職の仕立物をして収入を得ている。トスが出入りしている絹店から仕事を回して貰うので、半月に一度の割合で出来上がった仕立物を絹店に届けにいくのだ。
ソンが勤め始めて三日ほど経ったある日、キョンシルは仕立物を得意先に届けにいった帰り道、思いついて代書屋に寄った。キョンシルは以前と同じように、内職の仕立物をして収入を得ている。トスが出入りしている絹店から仕事を回して貰うので、半月に一度の割合で出来上がった仕立物を絹店に届けにいくのだ。