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　キョンシルはホン・シアンに詰め寄った。
「ご老人(ナーリ)、ソンは帰りたくないって、あんなに嫌がってるのに、無理に連れて帰るんですか？」
　ホン・シアンが初めてキョンシルを見た。この老人の瞳には、これまでソンはしか映ってはいなかったらしい。
「ソンはお屋敷で何度も毒殺されそうになったと言ってました。だから、怖くなって、生命の危険に晒される生活が嫌になって家を出てきたのだと。なのに、怖ろしい場所にまたソンを連れて帰るというのですか？　そんなのって、ソンがあまりにも可哀想だわ」
　ホン・シアンは小さな吐息をついた。