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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第14章 第三話 【むせび泣く月】 意外な事実

そんな人たちのことを考えたら、自分だけ我が儘や甘えは許されないってことがどうして判らないの? 王さまであるあなたがこの国を見捨ててしまったら、私たち民はどうやって生きてゆけば良いというの」
「キョンシル―」
 ソンの瞳が揺れている。ああ、自分は今、何という残酷なことを言っているのだろう。わずか十八歳の少年には過酷すぎる運命を生きろ―重すぎる国を背負えと、生命の危険すらある怖ろしい場所に戻れと言っているのだ!

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