側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第3章 旅立ち
「トスさんは本当にそれで良いの?」
おずおずと訊ねると、トスは胸を拳で叩き、豪快に笑った。
「任せておけ、三十で十五の娘を持つというのも悪くはない気分だぞ?」
トスはそのむさ苦しい身なりのせいで実年齢より老けて見えるが、実は亡き母より二つ年下なのだ。
「ありがと、トスおじさん(アデユツシ)」
キョンシルのすべらかな頬を澄んだ滴が次々につたい落ちた。
トスはその涙を手巾でぬぐった。それは実の父か兄のように慈愛に満ちた仕草であった。
「やっと昔のように、おじさんと呼んでくれたな」
おずおずと訊ねると、トスは胸を拳で叩き、豪快に笑った。
「任せておけ、三十で十五の娘を持つというのも悪くはない気分だぞ?」
トスはそのむさ苦しい身なりのせいで実年齢より老けて見えるが、実は亡き母より二つ年下なのだ。
「ありがと、トスおじさん(アデユツシ)」
キョンシルのすべらかな頬を澄んだ滴が次々につたい落ちた。
トスはその涙を手巾でぬぐった。それは実の父か兄のように慈愛に満ちた仕草であった。
「やっと昔のように、おじさんと呼んでくれたな」