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　ソンは頷いた。
「ホン内官は私の父の代から仕えてくれている内官だよ」
「内官というのは、もしかして宦官のことよね？」
　今更な質問ではあるが、根っからの庶民のキョンシルにとって宮殿のしきたりについては殆ど知識はないのだ。
「うん、ホン内官は根は悪くないんだが、私のこととなると、目先が見えなくなってしまうんだ。多分、私が王宮に帰らないのも、キョンシルが原因だと考え、ならばキョンシルを一緒に連れてきてしまえば問題ないと考えたのだろう。いかにもホン内官の思いつきそうなことだよ」
「そうだったの」
　キョンシルは呟き、うなだれた。