
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第15章 王宮という名の伏魔殿
「あなたの生命はあなただけのものであって、他の誰のものでもないでしょう。ゆえに、あなたの生命を私のために賭けるだなんて言っては駄目よ」
「淑媛さま」
臨尚宮はその場にまた平伏した。
「ちょ、ちょっと、なに?」
キョンシルの方も眼を見開いた。臨尚宮は感に堪えた面持ちだ。
「私は七歳で女官見習いとしてに入宮して以来、後宮より出たことはございませぬ。この二十七年間というものは、ひとえに王室のためにと身命を賭してお仕えして参りました。我が人生は国王殿下のおんために捧げて参ったつもりです。また、そのように幼い頃より頭にたたき込まれました。
「淑媛さま」
臨尚宮はその場にまた平伏した。
「ちょ、ちょっと、なに?」
キョンシルの方も眼を見開いた。臨尚宮は感に堪えた面持ちだ。
「私は七歳で女官見習いとしてに入宮して以来、後宮より出たことはございませぬ。この二十七年間というものは、ひとえに王室のためにと身命を賭してお仕えして参りました。我が人生は国王殿下のおんために捧げて参ったつもりです。また、そのように幼い頃より頭にたたき込まれました。
