
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第15章 王宮という名の伏魔殿
しかし、淑媛さまは、その後宮で長年、女官たちにたたき込まれてきた教えをいともあっさりと否定なされる」
キョンシルは慌てた。
「そ、そう? 別に否定するとか、そんなつもりではなかったんだけど。ただ、生命はただ一つしかない、代わりのきかない大切な物だし、その生命を誰かのために捧げるとかいう考え方は、あまり賛成できないような気がして。だって、臨尚宮の人生は他の誰のものもでもない、あなただけのものでしょう。だったら、臨尚宮は、あなた自身のために生きるべきじゃないかと、ふと思っただけ」
キョンシルは慌てた。
「そ、そう? 別に否定するとか、そんなつもりではなかったんだけど。ただ、生命はただ一つしかない、代わりのきかない大切な物だし、その生命を誰かのために捧げるとかいう考え方は、あまり賛成できないような気がして。だって、臨尚宮の人生は他の誰のものもでもない、あなただけのものでしょう。だったら、臨尚宮は、あなた自身のために生きるべきじゃないかと、ふと思っただけ」
