
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第15章 王宮という名の伏魔殿
「これは何?」
キョンシルが眼を瞠っていると、その前に白い鉄製の鳥籠が置かれる。中にはつがいの小鳥が二羽、入っていた。身体全体が純白の、羽毛も艶やかな小鳥だ。
「何という鳥でございましょうね」
「真っ白。雪のように綺麗だわ」
キョンシルは籠の中を覗いて、歓声を上げた。
「これは早速、主上さまにお礼を言上しなければなりませんね。いかがでしょう、歓んでいるお気持ちをお伝えするためにも、今からすぐに出かけられては」
「でも、今はまだ昼過ぎよ。殿下は大殿で執務をなさっているのでしょ」
「大丈夫ですよ。今日のこの時間は、宮殿の広場で弓術をなさっているはずです」
キョンシルが眼を瞠っていると、その前に白い鉄製の鳥籠が置かれる。中にはつがいの小鳥が二羽、入っていた。身体全体が純白の、羽毛も艶やかな小鳥だ。
「何という鳥でございましょうね」
「真っ白。雪のように綺麗だわ」
キョンシルは籠の中を覗いて、歓声を上げた。
「これは早速、主上さまにお礼を言上しなければなりませんね。いかがでしょう、歓んでいるお気持ちをお伝えするためにも、今からすぐに出かけられては」
「でも、今はまだ昼過ぎよ。殿下は大殿で執務をなさっているのでしょ」
「大丈夫ですよ。今日のこの時間は、宮殿の広場で弓術をなさっているはずです」
