
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第15章 王宮という名の伏魔殿
最大限にまで弦を絞り、ここぞというところで矢を放つ。真剣そのものの表情に、側で見ているキョンシルまで俄に緊張してくる。その場に満ちた緊迫感を矢が空気を掠めて飛んでいく音が震わせた。
小気味よい音を立て、ソンの放った矢は的の真ん中に命中した。
「お見事にございます、殿下」
若い内官が興奮した面持ちで手を叩き、ソンはわずかに頬を紅潮させてキョンシルを振り返った。
「どう?」
キョンシルはハッと我に返り、ソンを見た。
「凄いわ」
小気味よい音を立て、ソンの放った矢は的の真ん中に命中した。
「お見事にございます、殿下」
若い内官が興奮した面持ちで手を叩き、ソンはわずかに頬を紅潮させてキョンシルを振り返った。
「どう?」
キョンシルはハッと我に返り、ソンを見た。
「凄いわ」
