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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第15章 王宮という名の伏魔殿

王という立場はとても淋しいものですが、あのお方はわずか十一歳でこの国という重いものを小さな肩に背負われたのです。どうか、これからもお若い殿下のお側に仕え、お心淋しくいらっしゃる殿下を支えて差し上げて下さいませ」
 臨尚宮といい、ホン内官といい、ソンの側には数少ないけれど、心からソンのことを思う忠義の臣下がいる。もっとも、ホン内官のせいで、キョンシルはトスと引き離され、宮殿に連れてこられて、今、とんでもない女の地獄を見ている。まさに、とんだ傍迷惑というものだ。
 が、その迷惑を抜きにして考えれば、ホン内官のような忠臣は孤独なソンにとっては何より心強い味方なのだ。ソンのためには、必要不可欠な人材であった。

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