側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第15章 王宮という名の伏魔殿
「だって、こんなことでも言ってなけりゃ、あんまりにも悔しくて」
とうとう堪え切れず、キョンシルの大きな瞳から澄んだ滴が溢れ出た。
「私を転ばせたのは、明らかに向こうなのに、それをまるで、こちらが言いがかりをつけたみたいに言って。私だけならまだ許せるけど、その上、臨尚宮にまで手を出すなんて、酷すぎる」
「淑媛さまは、お優しい」
臨尚宮は優しい眼でキョンシルを見た。
「私は長らく、あなたさまのようなお方が殿下のお側に来て下さることを願っておりました。温嬪さま、恭嬪さまは、失礼ながら、次の国王さまのご生母たる資格はおありではございません。あのような方が元子さまのお母君となれば、この国は遠からず滅びましょう。淑媛さま、殿下はお小さい頃から、ずっと孤独でいらっしゃいました。
とうとう堪え切れず、キョンシルの大きな瞳から澄んだ滴が溢れ出た。
「私を転ばせたのは、明らかに向こうなのに、それをまるで、こちらが言いがかりをつけたみたいに言って。私だけならまだ許せるけど、その上、臨尚宮にまで手を出すなんて、酷すぎる」
「淑媛さまは、お優しい」
臨尚宮は優しい眼でキョンシルを見た。
「私は長らく、あなたさまのようなお方が殿下のお側に来て下さることを願っておりました。温嬪さま、恭嬪さまは、失礼ながら、次の国王さまのご生母たる資格はおありではございません。あのような方が元子さまのお母君となれば、この国は遠からず滅びましょう。淑媛さま、殿下はお小さい頃から、ずっと孤独でいらっしゃいました。