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　翌朝、まだ東の空が白々と明け初める時刻、宮殿の門から一人の娘が出てきた。
　町の娘にふさわしい簡素なチマチョゴリを着て、髪は未婚の娘らしく後ろで一つに編んで垂らしている。
「淑媛さま、どうかいついつまでもお元気で」
　門を出るまでは、臨尚宮が送ってくれた。臨尚宮はキョンシルをソンの妃だと信じ込んでいただけに、真実を知った衝撃は大きかった。彼女は何とかキョンシルを翻意させ、ソンの側にいるようにと説得を試みたけれど、最後はキョンシルの気持ちを理解してくれた。
「あなたもお元気で。短い間だったけれど、本当にお世話になりました」