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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第16章 第三話 【むせび泣く月】 飛翔する鳥

 宋淑媛の死因は不明とされている。
 淑媛の死の翌年、国中に禁婚令が発布され、新たな王妃の選定が国を挙げて始まった。翌々年、俊宗が右議政の娘、趙氏を王妃に迎える。盛大な嘉礼(カレ)を挙げた王と王妃を国中が祝福し、民は下々の者まで歓びに湧いたという。
 二十歳の王は十三歳の妻に対して兄のように優しく、周囲は後嗣の誕生を憂慮したが、夫婦仲は睦まじく、その四年後、王妃は第一王子を出産。
                 ( 第三話【むせび泣く月】 おわり)

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