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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第16章 第三話 【むせび泣く月】 飛翔する鳥

 後に、温嬪閔氏は廃位され、廃妃として宮殿の片隅に生涯、幽閉の身となった。また、キョンシルに何かと辛く当たり、清国の皇帝より賜った大切な鳥を毒殺した女官は宮中を追放される。
 どちらも、キョンシルが宮中を退出して以後の出来事だ。俊宗(ソン)がキョンシルを市井に戻そうと最終的に決断したその裏には、小鳥の毒殺事件が深く関わっていた。事件の前夜に既に決意していたとはいえ、彼の意思を決定的なものにしたのは、愛する娘にまで温嬪の毒牙が及ぶ怖れであった。
 俊宗ことイ・ソンが十八歳の年に入宮した宋淑媛は側室としての位階を賜り、若き王の寵愛を一身に集めたものの、入宮後わずかひと月で亡くなったと公表された。

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