
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第17章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】・戻らぬ男
裏腹にトスもまた返礼に酒瓶を抱えてウンスクの一人住まいを訪れ、口では煩がるようなことを言いながらも、ウンスクとは結構気の合う呑み友達のように見える。恐らく正反対の気質を持つ二人だから、余計に気が合うのかもしれない。
キョンシルは溜息をつき、一人で笑った。トスを待ちながら眠れない夜を幾つも過ごし、自分は一体、何度の溜息をつけば良いのだろう。これからも何千回、何万回もの吐息をつくことになるのだろうか。
トスの生活が眼に見えて荒んでゆく原因が自分にあると判っているだけに、キョンシルは辛くて堪らない。せめて互いに心を開いて話し合えたなら、もう少し二人の間の距離を縮め、誤解があるなら解くこともできるのに。
キョンシルは溜息をつき、一人で笑った。トスを待ちながら眠れない夜を幾つも過ごし、自分は一体、何度の溜息をつけば良いのだろう。これからも何千回、何万回もの吐息をつくことになるのだろうか。
トスの生活が眼に見えて荒んでゆく原因が自分にあると判っているだけに、キョンシルは辛くて堪らない。せめて互いに心を開いて話し合えたなら、もう少し二人の間の距離を縮め、誤解があるなら解くこともできるのに。
