側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第18章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 祖父の願い
トスはけして人当たりがよい方ではない。いつもむっつりと黙り込んで、むしろ人を寄せ付けない厳しさ―峻険な山のような雰囲気が彼にはあった。
現実には、その厳しさというのは彼自身の気質というよりは、不器用さから来るものだ。人嫌いではなく、どういう風に人に接すれば良いか判らず無口になってしまうのだ。外見どおり(?)、内面もなかなか一徹で頑固な一面がある。
もっとも、後は当たって砕けるしかないだろうとも思った。人を想う気持ちは計算づくで説明できるものでもないし、ましてや人の気持ちそのものを動かすのに手練手管は無用だ。
現実には、その厳しさというのは彼自身の気質というよりは、不器用さから来るものだ。人嫌いではなく、どういう風に人に接すれば良いか判らず無口になってしまうのだ。外見どおり(?)、内面もなかなか一徹で頑固な一面がある。
もっとも、後は当たって砕けるしかないだろうとも思った。人を想う気持ちは計算づくで説明できるものでもないし、ましてや人の気持ちそのものを動かすのに手練手管は無用だ。