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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第18章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 祖父の願い

 初対面の印象は、老人にしては大柄でかくしゃくとしているように思えたが、腰が痛いと寝込んだときには、まるで別人のように老けて見えた。
 七十といえば、かなりの高齢である。いつ何があったとしてもおかしくはないけれど、更に卒中という怖ろしい病にかかってしまったからには、祖父の寿命は既に尽きかけているのかもしれない。
 やはり、馬執事の言うとおり、できるだけ早く祖父の許に行くべきだ。崔家にずっと滞在するかどうかは別として、とにかく祖父の顔を見たい。また、キョンシルのような不肖の孫娘でも、顔を見せれば、祖父は幾ばくたりとも安心するのではないかという想いもあった。

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