
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第18章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 祖父の願い
誰が考えても、上流両班と酒場の女将の娘がまともに結婚できるはずがないもの。お母さんは美人で優しくて働き者で、朝鮮一のお母さんだった。でも、どんなにあがいても身分という壁は越えられない。それが哀しいけれど、現実よ」
それでも年を経て、自らの頑なさを悔いている祖父。そんな祖父が今、瀕死の病に倒れていると聞いて、到底知らん顔ができるものではない。
「私も一時はお祖父さまを恨んだりした。お祖父さまの頑固さのせいで、お父さんもお母さんも早死にしてしまったんだと逆恨みもしたわ。でも、本当は判っていたの。私の両親のことは、誰が悪いのでもないって。
それでも年を経て、自らの頑なさを悔いている祖父。そんな祖父が今、瀕死の病に倒れていると聞いて、到底知らん顔ができるものではない。
「私も一時はお祖父さまを恨んだりした。お祖父さまの頑固さのせいで、お父さんもお母さんも早死にしてしまったんだと逆恨みもしたわ。でも、本当は判っていたの。私の両親のことは、誰が悪いのでもないって。
