側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第19章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 再会
―天地神明(チヨンチシンミヨン)の神よ。どうか、お祖父さまをお救い下さい。
どちらかといえば信心深いとはいえないが、今日ばかりは祖父のために祈らずにはいられない。
「お祖父さま、哀しいことをおっしゃらないで下さい」
キョンシルが祖父の手を握り返して言うと、イルチェは皺に埋もれた眼を幾度もしばたたかせた。
「そなたにはどれだけ謝っても足りぬ。祖父らしいことを何もしてやれず、さぞ儂を恨んでいることであろう」
どちらかといえば信心深いとはいえないが、今日ばかりは祖父のために祈らずにはいられない。
「お祖父さま、哀しいことをおっしゃらないで下さい」
キョンシルが祖父の手を握り返して言うと、イルチェは皺に埋もれた眼を幾度もしばたたかせた。
「そなたにはどれだけ謝っても足りぬ。祖父らしいことを何もしてやれず、さぞ儂を恨んでいることであろう」