
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第19章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 再会
「どうして? 何で、そんなことを言うの?」
今度は、トスが嘆息した。
「俺はそなたに何もしてやれない。ただ側で心配して見守るくらいしかできないんだ。そんな自分がもどかしくてならない」
「トスおじさんが側にいてくれるだけで、私にとっては百人力よ?」
それは誇張でも何でもない、心からの言葉だ。トスが笑った。
「そなたはそう言って慰めてくれるがな。俺は本当にどうしようもない、自分でも嫌になるくらいの男だよ」
「慰めてなんかいないわ。ただ本当のことを言っているだけなのに、どうして、今夜はそんなことばかり言うのよ」
トスが自嘲めいた笑みを刻む。
今度は、トスが嘆息した。
「俺はそなたに何もしてやれない。ただ側で心配して見守るくらいしかできないんだ。そんな自分がもどかしくてならない」
「トスおじさんが側にいてくれるだけで、私にとっては百人力よ?」
それは誇張でも何でもない、心からの言葉だ。トスが笑った。
「そなたはそう言って慰めてくれるがな。俺は本当にどうしようもない、自分でも嫌になるくらいの男だよ」
「慰めてなんかいないわ。ただ本当のことを言っているだけなのに、どうして、今夜はそんなことばかり言うのよ」
トスが自嘲めいた笑みを刻む。
