
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第19章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 再会
キョンシルは顔をうつむけてから、再びトスを見つめた。この場合、気休めや綺麗事を口にしてみても、何も事態は変わらない。むしろ、自分の見たままを正直に報告する方が良いと判断する。
「とりあえずは安心したけれど、いつ何があるかは判らない。油断はできないでしょうね」
「しかし、すぐにどうということはないのだろう?」
「そうね。それはないと思うけど。このまま何事もなく過ぎていってくれることを願うしかないわね」
キョンシルが溜息混じりに言うのに、トスは押し黙った。
「俺は自分が不甲斐ないよ」
ややあってトスが発した言葉は意外なものだった。
「とりあえずは安心したけれど、いつ何があるかは判らない。油断はできないでしょうね」
「しかし、すぐにどうということはないのだろう?」
「そうね。それはないと思うけど。このまま何事もなく過ぎていってくれることを願うしかないわね」
キョンシルが溜息混じりに言うのに、トスは押し黙った。
「俺は自分が不甲斐ないよ」
ややあってトスが発した言葉は意外なものだった。
