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君の笑顔

第8章 ボール ~ウラ~

「もーーあさみー、ちゃんと取ってよ~」

しょぼくれている溝口の後ろから、片野が姿を現す。


その声に反応してか、陽介が顔を上げた。



「あ、スケじゃん。どしたの。」

片野はツカツカと陽介に寄っていく。


「うるせぇな、スケって呼ぶなっての。ボールがぶつかったんだよ。」


溝口に対する態度と変わる陽介。



俺はまた溝口を見た。



様子が変わった陽介を見て、少し顔がにこやかになってきた。



「ボール……って…
うわ、腫れてるね。」


片野は陽介の顔を覗きこんだ。



「大丈夫だよ、もういいから。溝口さんも、気にしないで、俺平気だから。」


しゃがんでいた陽介は立ち上がった。

「保健室、連れてってあげるよ。」

片野は真顔で偉そうに言った。



「大丈夫、一人でいく。」

と突っぱねる陽介。



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