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君の笑顔

第37章 敵わない相手 ~陽介~

「でも、救ってやりたかったんじゃないってあとから気付いた。




俺はただ



優を忘れてほしかった

俺を


俺を見てほしかっただけなんだ」




敵わない


こんなに長い間片野を想い続けていたウラには……



「気付かなかった……ごめん……」




「謝らなくていい。ただ、伝えたかったんだ。」




つかつかと足音がする。


もう帰ろう。


二人の間には入れない。


そう思って俺はゆっくり立ち上がると、

また扉の隙間から二人を見た。

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