
変人を好きになりました
第13章 見えた光と
目が自然と開く。
「まぶ、し……」
突然飛び込んできたのは眩しい光。ぼんやりとした何色か形容できない光しか見えない。
優しく手を握ってくれた人の姿を見たい……。
「あ」
声が漏れた。すごく綺麗。
私の顔を覗き込み心配そうな表情のその人はたぶんさっきから私の傍にいてくれていた人だろう。そんな気がする。
綺麗なのはその人のこと。もっとよく見ようとするのだけど、じっと見ていると視界がぼやけてきて気分が悪くなってくる。
「古都さん、見えるのか?」
その人が私の顔を両手で包み込んだ。真っ黒な彼の瞳にはきっと私が映っているのだろうけど、それが見えない。こんなに近い距離にいるのに……。
「うっ……」
急に襲ってきた吐き気に口元を抑えた。
「……やっぱり片目の視力は著しく低下しているみたいですね」
白衣を着た男性が低くつぶやいた。
「右目にガーゼを。しばらく右目はふさいでおきましょう。両方の視力の差が激しいと脳に支障をきたすこともありますから。黒滝さんもよくご存じでしょう」
クロタキさん。そう呼ばれた彼は目をつむってうなだれた。
どうしてこんなに私のことを気にしてくれるのだろう。
というより、どう見ても医者も看護師も白人なのはどういうことなのだろう。クロタキという男性も真っ白な肌は純粋な日本人とは思い難い。
ずっと英語で喋っているのも不自然だ。
幼い頃に父についてイギリスやアメリカに住んでいたおかげで英語は身についているけれど、久しぶりに聞くネイティブの英語に私はたじたじした。
とにかく今の状況を聞かなくては。何か事故に巻き込まれたのかもしれない。
「あ、の……」
「まぶ、し……」
突然飛び込んできたのは眩しい光。ぼんやりとした何色か形容できない光しか見えない。
優しく手を握ってくれた人の姿を見たい……。
「あ」
声が漏れた。すごく綺麗。
私の顔を覗き込み心配そうな表情のその人はたぶんさっきから私の傍にいてくれていた人だろう。そんな気がする。
綺麗なのはその人のこと。もっとよく見ようとするのだけど、じっと見ていると視界がぼやけてきて気分が悪くなってくる。
「古都さん、見えるのか?」
その人が私の顔を両手で包み込んだ。真っ黒な彼の瞳にはきっと私が映っているのだろうけど、それが見えない。こんなに近い距離にいるのに……。
「うっ……」
急に襲ってきた吐き気に口元を抑えた。
「……やっぱり片目の視力は著しく低下しているみたいですね」
白衣を着た男性が低くつぶやいた。
「右目にガーゼを。しばらく右目はふさいでおきましょう。両方の視力の差が激しいと脳に支障をきたすこともありますから。黒滝さんもよくご存じでしょう」
クロタキさん。そう呼ばれた彼は目をつむってうなだれた。
どうしてこんなに私のことを気にしてくれるのだろう。
というより、どう見ても医者も看護師も白人なのはどういうことなのだろう。クロタキという男性も真っ白な肌は純粋な日本人とは思い難い。
ずっと英語で喋っているのも不自然だ。
幼い頃に父についてイギリスやアメリカに住んでいたおかげで英語は身についているけれど、久しぶりに聞くネイティブの英語に私はたじたじした。
とにかく今の状況を聞かなくては。何か事故に巻き込まれたのかもしれない。
「あ、の……」
