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君がいいんだ

第3章 初デート

ドアを開けると、手には大きなバッグと
ケーキの箱を持った彼女が立っていた

「いらっしゃい。どうぞー」
「おじゃまします」

小さくペコリと頭を下げて部屋に入ってきた
ケーキを受け取ると、彼女がキッチンの
エスプレッソマシンに気づき「わぁー♪」
と声が高くなる

「デロンギじゃないですか!!スゴいですね」
「何?有名なの?」
「良いものですよーっていうか…」
「はい?」

彼女は俺の顔を見てにんまりと笑った
「そんなに使ってない…ですよね?(笑)」
「う……あ、はい…(笑)」

見たらわかりますよ♪良いものなんですから使ってあげてくださいね、と前に会った時よりよくしゃべる

「さすがだね。仕事柄、かな?」
「そうですね。好きですから、コーヒー」
「そっか…実はさ、練習したんだけどうまくいかないんだよね」
「難しくないですよ?家庭用ですから」

そう言いながら手際よくコーヒーをいれはじめる
ちょっとずついい香りが立ちこめる

「じゃあ、食べます?ケーキ♪」
「そうだね。ごちそうになります!!」

テーブルに並んだ2つのカップに
胸がキュンと音をたてた
聞こえていないだろうか…
俺の鼓動はどんどん早くなっている…

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