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君がいいんだ

第3章 初デート

彼女が持ってきた映画の話や
好きな音楽の話や
新しく知ることは本当に楽しくて…

彼女は話が上手だった
盛り上げ方を知っているようで
コロコロと変わる表情も
見ていて引き込まれて行くのがわかった

ただ、まだまだなんだか壁が一枚あるように感じていた
何だろう…?

「どうしたんですか?」
彼女は俺の顔を見て聞いてきた
きっと考え事をしている表情だったんだろう

「あ、いや、何でもないよ」
「難しい顔…でしたよ?」

そんな顔だったのか…
謝らないと…
俺は言葉を探すが、どう伝えるか迷ってしまい、沈黙が続いてしまった

「櫻井さん!?もしかして…お仕事か、何か…ですか?それなら私、失礼しま…」
「違うんだ」

デートしようと伝えたように
そのまま言えばいい
俺は回りくどい言い方はできない
カッコいい台詞も出てこない

気持ちを真っ直ぐ伝えよう

「杉本さん…」
「はい…?」

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