
適当詩
第5章 5
「なんて言ふ」
ビルがはえている
高く空へ延びている
長く高く
ビルには無数の窓
部屋の蛍光灯だけ見える
あの一室で働く人生もあったのか
なんて
下町の居酒屋で
冷奴と枝豆で瓶ビールを注ぎながら思う
追加のキムチ盛合せを持ってきたおやじさん
俺もサラリーマンやってたこともあるのよ
なんて
店をやってく人生もあるのか
とコインランドリーで洗濯機が回転するのを眺めて思う
馴れた猫が外から俺の顔を見ている
そんな顔するなよ
なんて
フランチャイズの喫茶店で
本日のコーヒーMサイズを啜りながら久し振りに会った友人の肩を叩く
結婚したらしいぜ、あいつ
なんて
そんな会話を電車待ちのホームで茶髪の兄ちゃんが話しているのを耳にする
そんなこともあるんだな
なんて
そんなこともあるさ
なんて
そうしたもんさ
なんて
帰り道、静かに咲いてる桜が言う
少し早めに咲いた花びらが風に回って降ってくる
なんて
一人で歩く帰り道
街灯で照らされた自分の影が後ろをついてくる
結局、俺に残るのは
お前だけさ
離れずに
しっかり
ついてくるがいい
終わり。
ビルがはえている
高く空へ延びている
長く高く
ビルには無数の窓
部屋の蛍光灯だけ見える
あの一室で働く人生もあったのか
なんて
下町の居酒屋で
冷奴と枝豆で瓶ビールを注ぎながら思う
追加のキムチ盛合せを持ってきたおやじさん
俺もサラリーマンやってたこともあるのよ
なんて
店をやってく人生もあるのか
とコインランドリーで洗濯機が回転するのを眺めて思う
馴れた猫が外から俺の顔を見ている
そんな顔するなよ
なんて
フランチャイズの喫茶店で
本日のコーヒーMサイズを啜りながら久し振りに会った友人の肩を叩く
結婚したらしいぜ、あいつ
なんて
そんな会話を電車待ちのホームで茶髪の兄ちゃんが話しているのを耳にする
そんなこともあるんだな
なんて
そんなこともあるさ
なんて
そうしたもんさ
なんて
帰り道、静かに咲いてる桜が言う
少し早めに咲いた花びらが風に回って降ってくる
なんて
一人で歩く帰り道
街灯で照らされた自分の影が後ろをついてくる
結局、俺に残るのは
お前だけさ
離れずに
しっかり
ついてくるがいい
終わり。
