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夢の虹

第2章 となり


「流星君、何があったの?」

「えっ…いや…その…」


なぜだか私以上に焦る流星。

慌てたせいで、後ろにあった椅子にぶつかり机から教科書が何冊か落ちる。

その中の一番上の青い教科書が目に入った。

そこには大きく"数学Ⅱ"と書かれている。

あれ…?

さっきの授業は数学のはず。

そしてその青い教科書を使っていたはず。


「流星…その教科書って…」

「あ…」


流星はその教科書を素早く手に取り、後ろに隠した。

その顔はこれ以上ないくらいに真っ赤だ。

まるで熟したイチゴのようだ。

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