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赤い印

第10章 一難去る。

「那貴!痛い!」
那貴の腕を止める。

「あのな」

那貴が私の両頬をがしっと掴んで
私の目をしっかり見ていった。

「感謝される事じゃないっつの。
当然だろ?大切な奴なんだから」

「大切・・・?」
「あぁ。大切だ。」

真剣な瞳。
胸が何かに射抜かれたように痛くなる。

激しい動悸。

思わず胸の辺りを手で押さえる。

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