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赤い印

第5章 夜の天文部

「もう、無駄話してないで早く観察しましょう!部長!」

天体望遠鏡を覗くため、
私は握られたままの左手を離そうとした。

でも、部長は離してくれなくて、
むしろ、拘束を強くした。

「ぶ、部長…?」
私は部長の顔を覗き込んだ。

一瞬、部長の口角が軽く持ち上がったように見えた。

急に体が引き寄せられる。

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