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赤い印

第5章 夜の天文部

「部長、土星見える?」
「あ、今火星に合わせてた。」

部長は火星オタク。
私は土星。

「じゃあ火星の後でいいです。」
私は部長の隣に腰掛けた。
「うん。ちょっと待ってて」

ふと、部長は思い立ったように
ブレザーの上着を脱いで
私に掛けた。

「暑いから、持ってて」

嘘だ。
今日は春にしては気温低いもん。

私は部長の優しさに甘える事にした。

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