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赤い印

第9章 天文部×3 動く

プルルルル…
電子音に体がビクッとした。

私は恐る恐る携帯に手を伸ばし
通話を押した。

「も、しもし…?」
緊張して息が詰まる。
『杏樹?』
「なんだ、雄治…」

安堵が胸に広がる。

『明日、ちゃんと学校来いよ』
「…」
うん、と言えばいいだけなのに
言葉が喉で詰まって出てこない。

『大丈夫だからさ。』
「大、丈夫…?」
何が大丈夫なのだろうか。

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