
僕の初恋
第12章 2012年 知らない秘密
「…よし、終わった!」
そう言うと優愛はリビングに戻って来た
「…ごめんね、遅くなっちゃって」
優愛の顔も手も、心もボロボロになっていた
「…なあ、嫌じゃないのか?」
「嫌じゃないって…ここが私の家だもん。それに、いつかお兄ちゃんも変わってくれると思うし…」
優愛……
「母親は?いないのか?」
「母は仕事。…父の借金返すの大変だから…」
「父親、いないのか?」
「うん…。小さい頃事故で亡くなったらしいの。…私はよく知らないから…」
「そう、か…」
「……」
「…なあ」
「?」
「…俺が……
俺がお前の事、守るよ」
「え…」
「…付き合おう。…俺、力になりたい。」
「………
うん……」
俺にとっての大切な人は、この子だと思った
…俺が、守ってあげなきゃいけない
そう、思った俺だった
