僕の初恋
第4章 2013年 何かある
「…分かるか、俺の事。」
「…えっ」
「昔、電車で会ったお兄さんっていうべきかな。」
「えっ…あ!」
そうだ…!こいつ、あの時の…。
「優介だろ?お前。」
「あ、ああ…」
「…お前の父さんが亡くなって、もうかなり経つのか…
確か優介が5歳の頃亡くなったからな…」
「俺の父さんの事何か知っているのか…?」
「まあね、あいつとは親友だったから。」
「ずいぶん年が離れてるけど?」
「幼馴染だったからね。…」
「なんで亡くなったんだ…?」
「…」
「おい!」
「…自殺だったんだ。」
「…え?」
「…遺書があったから。すぐに分かった。」
「自殺…?」
「俺はその頃、17歳だった。…君の母は、24歳だったか…。遺書にはさ、たった一言しか書いていなかった。
『優介と優愛を頼む』しかね。」
「父さん…」
「…会社が潰れたんだ。生活費も苦しくなり、自分は逃げるしかなかったのかもね。」
「そうか…」
「だから、君達が高野さんの家に行く時もあいつの代わりに…頼まれた。」
「…一つ良い?」
「ああ、何だ?」
「…妹の事…どう思ってるの?」
「え…」
「アンタ前に顔真っ赤だったからさ。」
「フッ…シスコンか?…まあ、気になってはいたかな。」
…やっぱりか…
「…本当の事言うと、好きだった。見た時から。
年の差はあったけど、守りたいなあって。」
「っ…!」
「それが何かある?」
「別に、失礼しました。」
俺は思いっきりドアを閉めた。
「…会いたいな。…優愛」