人生憑依。
第1章 抱く心情
美術室の前まで着くと
中から声が聞こえた。
「ん、あぁ…っん、…っ」
女子みたいな
でも思いっきり男子の喘ぎ声。
声とともに、
いやらしい音が耳に入る。
―グチュ…ッグチュ…ッ
「あぁあっ、にの…っ、んんっ」
全くの不愉快な声と音に
耐えきれず俺はドアを横に引いた。
ドアの音とともに
いやらしい音が止まる。
―が、
「んっ…はぁっあぁ…!」
―ビュクッ…ビュルッ
床にポタポタと白い液体が
数滴放たれる。
俺が見た光景はあまりにも
生々しい光景だった。
尻を突き出した体制の男が一人
その人に挿入している小柄な男が一人。
「あれ…」
挿入した男は
俺を見てギクリとした顔をした。
やっぱりこいつらかよ。
なんて思う俺。
果てて息切れしているのは
この学校の生徒会会長、櫻井翔。
「翔さん、服、着てください」
ズルッと抜いた奴は
俺の大嫌いな奴。
会長の、恋人の、二宮和也。
「へぁ…?…っ!?あぁ、ちょ…っ」
俺を見た会長は、
顔を更に真っ赤にして体を起こした。
「に、にのっなんで…っ」
にの、と呼ばれた二宮は
さあね、と首を傾げながら乱れた制服を直す。
会長は崩れ落ちるように床にひざを突いた。