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KISSからはじめよう

第6章 智、そわそわする

あれだけ
いっぱい話をして…なんて考えていたのに、急に言葉が出てこなくなった

ソファに座る彼女の
膝丈のスカートや
さっきから香るいい匂いで
KO寸前…

「あの…さ、森さんは…その…」
「はい?」
「その…」
「いや、なんでもないです…」

聞きたいことは…
色々ある

彼氏はいるのか
おれをどう思っているか

好きだ…と言ったら
どうなるのか…

沈黙が続き、彼女はひたすらコーヒーを
口に運ぶ
おれも同じようにコーヒーを飲む

「さっき…ね」

突然彼女が口を開いた

「彩乃さんがお店でおすすめしてくれたんです…これ…」

そう言って小さな紙袋をテーブルに置いた

「へぇ…何買ったの?」

これです、と言って袋を開けると
お化粧品のようなものが入っていた

「何?これ?」
「ボディクリームとハンドクリームですよ♪いい香りで買っちゃいました♪」

そう言っておれの顔に彼女は自分の手を近づけた
ふんわりとオレンジの爽やかな香りが
鼻をくすぐる

いい匂いはこれだったんだ…
気づいた時には
近づけた手を取り
彼女を自分の方に抱き寄せていた

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